アルファ&ビート乗りから見た、MR-Sの良いところと、そうでないところ(後編)

MR-S

前回に続いて、今回は、「ここ、もう一つやなあ。」と思うところを書いていきます。MR-Sに乗っている人には申し訳ないですが、個人の意見ということで許してください。

さて、前回も書きましたようにMR-Sはとても良い車です。こんな車は二度と出ないし、オープンでミッドシップ、ツーシータときてる。一台持っていて絶対に悪い車ではありません。

だから、息子が買ってから、ずぅーと考えていました。息子がもし乗らなくなったら俺が引き取るか?っと。

ただ、途中からその考えはなくなりました。そこにMR-Sという車のもう一つの側面があります。

後編では、そんなMR-Sのもう一つの側面について書いておこうと思います。

MR-Sは、とてもいい車ではあるのですが、やっぱり私にとっては「物足りない」ところがあります。

物足りないところ、それはずばり「エンジン」です。

エンジンがやっぱりちょっと物足りない。

この物足りないというのはパワーがないとか、パワーが足りないとか、そういうのとは違います。パワーは十分あります。十分過ぎると言ってもいいです。十分と言っても140PS程度ですから数値としてはたいしたことはありません。でも、車重が1トンぐらいしかありませんから、140PSぐらいでも十分です。アクセルを踏めば車は軽々と加速していきます。トルクも1.8リッターの排気量が効いてか、全く不満はありません。十分なトルクで車を加速させることができます。

パワー、トルクについては特に不足はないです。でも、それでも、エンジンが物足りません。ちょっと言い方を代えると、だめだめです。

別にエンジンが悪いということではありません。エンジン自体はビスタ?にも使われた汎用のエンジンなので、悪いエンジンというものでは決してありません。

でも、この手の車には、普通のエンジンではあきません。癖のあるエンジンでないと。

例えば、パワーは100PSでもいいです。それぐらいでもいいから、もっとシャープに、もっとドラマチックに、もっと回転させてる!っていう感覚が欲しい。

中庸過ぎるんです。回らないかというと、回ります。そこそこではありますが、上の方も回りますよ。でも、回転に面白さがない。これも、アルファと比べるのもどうかとは思いますが、アルファのツインスパーク。このエンジンはすばらしい。145は、車自体は、ほんと、どうということはない車です。でも、エンジンはすばらしい。だから、楽しくて、運転してる!という感じ、実感が強く沸きます。ツインスパークも特別、高回転型という訳ではありません。レッドも7000回転ですからたいしたことはありません。パワーも後期型で155PSと、これまたごく普通。でも、回転させてる!、おっとここからぐあーんとくるんか?、みたいなドラマがあります。

ちょっと渋滞してくると、途端に機嫌が悪くなったりもします。でも、楽しい。だから145は、いろいろあってもまた乗りたいと思ってしまいます。

ところが、MR-S。エンジンが壊れにくくて安心感があるというのはメリットではあるのですが、スポーツカーは安心感のあるエンジンというのではあきません。勿論、壊れにくくて安心感があるのはそれ自体はいいのです。でも、それと共に、もっと乱暴に言えば、少々安心感が劣ったとしても、楽しいエンジンでないと。

排気量がテンハチではなくて、テンロクとか、テンゴとかでもいいです。もっと言えば、テンサンでもいいじゃないですか。それぐらいでも100PS程度は出るでしょう。シュンシュン回るエンジンとか、シュンシュンではないけれども回転にドラマがあるとか、そんなエンジンを積んでいたなら、息子から譲り受けていたと思います。

公道を走るスポーツカーに求められるのは、絶対的なスピードとか絶対的な加速力とか、そういったものとは違うところにあると思っています。少々速かろうが高々しれてます。アウトバーンを走るとかいうのとは違うんですから、すごいパワーがあっても使えません。そうじゃなくって、パワーよりもパワー感。スピードよりもスピード感。これです。

パワーなんていらない、とは言いません。パワーはやっぱり大事は大事で、購入当初のビートのようにパワーがなさ過ぎると、坂道を走ってもスムーズに登れないし、楽しくありません。楽しい場面というのがかなり限られてしまいます。ビートの場合は車重がざっくり800kgぐらい。そのくらいなら、やっぱり70、80PSぐらいは欲しい。50そこそこのパワーでは、やっぱりちょっとつらいというのが私の感覚、感想です。公称64PSと言っても、RSマッハさんによれば、普通はだいたい54、55PSぐらいしか出てないらしいですから、いくら高回転まで回ると言っても、ちょっとパワー不足だと思います。

スポーツカーというなら、やっぱり、そこそこのパワーは欲しい。でも、そこそこあれば、それでいいんじゃないかと。

MR-Sの場合、ビスタ流用の1.8リットルの140PSというパワーを与えるのではなくて、むしろ、排気量とパワーを落として、その代わりに楽しいエンジンを与えるべきだったと、そう思います。ただ、トヨタにそのようなエンジンがあるのか、あったのかという、そもそも論はありますが。。。ホンダのエンジンに載せ替える人がいるというのも頷けます。

まあでも、エンジンの面はあったとしても、それでもMR-Sは乗る価値のある車です。私がもし145にもビートにも乗っていなかったとしたら、息子から譲ってもらって乗っていたと思います。オープンというだけでも価値は高いですし。

あっと、一つ言い忘れました。エンジンに比べると些細なことではありますが、内装はちゃっちい、というか、デザインが子供っぽいです。内装デザインは正直あきませんが、まあ、走りとは関係ないですから、我慢しましょう。

いいところ、そうではないところを二回に分けてざざーと書いてきました。

総合的には、MR-Sは、ほんと、真面目に作られた良い車です。トヨタという会社が真面目に作った最後のライトウエイトスポーツと言い切れます。

高級な、機能てんこ盛りのスポーツカーは、今後もしかしたら出てくるかもしれません。

でも、こんな簡素でスッカスカの安価なライトウエイトスポーツは絶対に登場しないでしょう。

MR-Sの魅力はそこにあります。こんな魅力的な車が登場した時代はやっぱり良かったとは思いますが、まだ今でも乗れる個体はそこそこありますし、現にそこそこ走っています。気になっている人は、一回は所有して乗ってみられることをお勧めします。