夏の昼間のオープンカーのオープンは、危険です。

ビート

ホンダビートは、単純にオープンに乗りたいという、それだけの理由で購入しました。オープンに乗るのは長い間の夢でしたから。

屋根を開けずにクーペの状態で乗るということであれば、他の車を選びます。私の場合、ビートの購入動機は、オープンであること、これに尽きます。だから、ビートに乗るときは、屋根全開、窓全開です。ビートに乗るのに屋根を開けられない、窓を開けられないというのは、何らかの理由があるわけで、多くの場合は、乗っている途中で想定外の雨が降ってきたという場合です。初めから雨が降るとわかっている場合には、ビートには乗りません。

オープンと言えば「夏」というイメージがあるかもしれません。しかし、あくまでも大阪での話ですが、オープン乗りは、夏には乗りません。

少なくとも屋根を開けて夏の昼間には乗りません。夏に乗るとしても、涼しくなった夜とか、朝の早い時間帯とか、そういう限られた状況下です。「オープンは夏」というイメージは、単なるイメージだけで、オープンは、逆に冬に乗るものと思っています。特に、晩秋から初冬が最高です。

夏に乗らない理由は、単純に、暑いからです。屋根がないので、強烈な日差しを遮ることができませんから、まず第1に、人間が持ちません。それから、ビートも持ちません。ビートは暑さが苦手です。私のビートには、オイルクーラーも付けてはいますが、それでも油温を下げるためには、ヒーターを入れないといけません。夏なのにヒーターです。これでは、ますます人間の方がもちません。だから、私の場合は、乗っても6月一杯がいいところで、それ以降、だいたい9月末までは夏休みに入ります。7,8,9月、この三ヶ月はビートはお休みです。涼しい時間帯を見計らって近くをぐるっと一周する、そんな感じでたまに動かす程度です。10月もまだまだ暑い日が多いですから、そこは様子を見ながら乗るようにしていて、10月後半ぐらいになってようやく本格的な再開、いつもそんな感じです。

6月は、もうすぐビートが夏休みに入るという時期。雨も多いので、乗る機会も少ない。だから、乗れそうな日にはできるだけ乗りたいという気持ちが強くなります。そこに油断がありました。

先日、6月もあと残り僅かとなったある日。雨は降らなさそう、という予想だったので、今日はビートがまともに乗れる夏休み前の最後の日やなあ、とそう思って暑いのは承知の上で、朝、いつものように出発しました。

朝といっても夜明けが早いので、既に太陽はそれなりの高さになっていて、強烈な日差しが東側から頭上に飛び込んできます。覚悟の上とは言え、きつい。帽子に手袋、アームカバー、それに顔には日焼け止めをたっぷり塗って日焼け対策をしていますが、それでも暑いことは暑い。

下道も朝の通勤で交通量が多く、スイスイとはいきません。走っているときはまだましですが、止まると暑い。あー、暑いなあ、と思いながらも、こんな暑いのに屋根開けてアホちゃうか、という回りの視線を全く気にしていないようなフリをして、暑くないよー、という顔をしようとしますが、やっぱり暑いことは暑い。たぶん回りから見ても暑そうな顔をしていたと思います。

そうこうしているうちに阪神に入りますが、阪神の電光掲示板には事故渋滞の表示が。ちょっといやな感じがしましたが、下道で行く気はないので、そのまま進みます。

やがて、環状線に入る手前で、さっきの表示どおりの事故渋滞。

どうしようか。この出口で降りようか?と迷いながらも、結局、降りずにそのまま進んでしまいました。でも、これが最悪の選択でした。

事故渋滞・・・キロと出ていても、その状態は日によってまちまちで、意外と止まらずに進めることもあれば、ピタッと止まることもあり、こればっかりは行ってみないとわかりません。最近、通過時間が表示される場合もありますが、全てではないようですし、このあたり、もう少し何とかならないかとは思っています。

この日の事故渋滞は、結果的には、数キロに亘って全く動かずという最悪の状況でした。

さっきの出口で降りれば良かったと思ったものの後の祭り。引き返すことはできません。仕方なく渋滞の最後尾に並びますが、動いたと思っても10メートルか、20メートルか、その程度。使うのは一速のみという最悪の展開です。これは困った、と思ったものの、どうしようもありません。

屋根は開けていますから日差しは容赦なく入ってきており、そのうえ、回りはビルばかりですから外気温も高い。しかも、回りの車からは容赦なく熱い排ガス攻撃が。

もう、たまりません。

回りの車を見ると、みなさんオートマで窓を閉めてクーラーの中、とても快適、涼しそうです。このときほど、オートマ、クーラー付きの車をうらやましいと思ったことはありません。

そのうち、まじで体がやばくなってきました。次の出口まであと1キロほどなのですが、それまで持つか?と自分でもかなり心配になるほどの状態。

これはやばい。まじでやばい。

こんなところで熱中症になって救急搬送されるわけにはいかない。

そう思うものの、車を止めて屋根を閉めるわけにもいかず、どうすることもできません。今思えば、渋滞しているわけですから、そのまま車を止めて、後の車には申し訳ないけれどもちょっとだけ待ってもらって屋根を閉めれば良かったと思いますが、そのときはその決断もできませんでした。

手袋を外し、アームカバーを外しても、暑い。万策尽きたと思ったとき、一つ思い付きました。

そうや!弁当にちっちゃい保冷剤があった!

早速取り出して、首の頸動脈に当てて冷やします。でも、ちっちゃい保冷剤ですから、効き目は長持ちしません。すぐに暖まってきます。

もう少し、もう少しで出口や。

そう思いながら、次の出口までなんとか深呼吸しながらふんばって、ようやく、本当にようやく降り口まで到達して阪神を降りることができました。

下道に降りて、すぐにコンビニを探し、ポカリと氷を買って、ポカリを一気飲みし、氷で首をがんがん冷やします。

なんとか間に合った。そんな感じでしたが、軽い熱中症になっていたのは間違いなくて、仕事場に着いても、ちょっとの間しんどくてソファーで横になっていました。

ほんとにやばかったです。夏の日差しは、なめたらあきませんね、ほんとに。

そう言えば、これと似たようなことが昔にもありました。30年ほど前のことです。

大学のときの友達数人と四万十川にカヌーに行くことになり、Kちゃんのビート、それ以外にマークⅡとシトロエンBXという合計三台に乗り合わせて、四国四万十へと向かいました。

ビートにはKちゃんと私。夏ですが、当然、屋根全開です。

初めは調子良く走っていました。Kちゃんは、「オープンで日焼けなんて、おしゃれやー。」と言いながら、運転していました。

でも、岡山から四国に渡る頃には、Kちゃんは気分が悪くなりダウン。当時は、熱中症という言葉もありませんでしたが、今思えば、かなりの熱中症。

当然、Kちゃんは、ビートの運転はできず、マークⅡやBXの後部座席に乗せてもらってなんとか現地まで到着、そんな状況でした。

今でもそのときのことをよく笑い話にします。「おっしゃれー、とか言うてるからやー」といいながら笑っていますが、笑い話にしていた自分が、今度はその30年後に、同じようにビートで熱中症になりかけるとは。

みなさんも、夏の昼間にオープンに乗るときは、屋根を開けずに乗りましょう。屋根を開けて乗るときでも、渋滞のない道を選びましょう。そして、ちょっとの間だけにしましょう。

オープンに乗って熱中症になったなんて、洒落にもなりませんから。

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