以前、旧車についてちょっと書きました。
「旧車ブームって、若い人のブーム?」
「旧車って、一体、何年前の車?」
最近、あまり旧車が走っているのを見ないなあ、普通の平日、それも普通の通勤時間帯に、おもしろい車が走っているのを見かけないなあ。と、そんな風に思っていたところ、久しぶりに遭遇しました。
いつも駐めている駐車場に行くと、朝の当番は、例の背の高い兄ちゃんでした。この兄ちゃんは、左右二基ある立駐のうちのどっちかという指示、ちょっとそこで待ってという指示、そんな指示がすごく的確でタイミングがばっちり。いつもいい感じで手振りします。
その日も「はい、こっち」とばかりに、私が入るやいなや、向かって左側の立駐に手招きしました。
ふと、右側の立駐を見ると、今ちょうど一台入ったところで、そのリアのデザインを見て、思わず車から降りてしまいました。
その車は、「クイントインテグラ」。
こんなところでインテグラを見るとは、さて、どんな人が降りてくるんやろう?と思っていると、なんと、20代か、30歳ぐらいか、という感じの若い男性です。
「こんな若い兄ちゃんがインテグラに乗るのかー」と、これまた感激して、その車にどんどん近づいていく私。
そのインテグラの色は白。黒色の細ーいリアスポイラーがトランクの上にちょこんと付いてたりします。
「インテグラかあ。懐かしいなあ。昔、知り合いが乗ってたんよー。」と思わず声を掛けてしまいました。
クイントインテグラは、初代インテグラ。「クイント」だけの車名の車がその前にあって、その次に登場した車みたいです。クイントインテグラという車名はこの代だけで、この後からはクイントが消えて「インテグラ」だけになりました。カッコインテグラと呼ばれたインテグラは、これよりも後です。
歴代のインテグラの中で最も好きなのはこの「クイント」が付く「インテグラ」。歴代のインテグラの中で、最もスタイルがいいと思っています。品のあるスタイル、上品なデザインです。この後に続くインテグラのように、流線型のスタイルではなく、直線基調のスタイルで、すっきりとした品の良さを感じさせます。
この時代のホンダは、ほんとデザインセンスが良かったなあと思います。なんでもかんでも流線型にすればいい、とか、ごちゃごちゃっと複雑なラインにすればいい、とか。そういうもんではないと思うのですが。。。
クイントインテグラは、1985年から1989年あたりまで製造されたようです。ちょうどバブル真っ最中。ホンダが絶好調。ホンダがどんどん魅力的な車種を世に出していた、そういう時代の車です。
当時流行のリトラクタブルやけれども、プレリュードとはまた違う控えめな品があって、でもスポーティでもあって。セダンなんかは、ちょっと、上級ファミリー的なところもあって。派手さはないので、地味と言えば地味ですが、それが控えめな品というもの。
改めて当時のCMをユーチューブで見ました。
キャッチコピーは、
「DOHCロマン」
うーん、いい!
まだツインカムが少ない時代。サイドにDOHCと誇らしげに書かれているのも良かったなあ。販売は、ベルノ店。このベルノ店というのも、またちょっぴり高級感が醸し出されているような。
右側の立駐に入り込んだその車のリアの右側には「GSi」と書かれていました。ホンダのHPで確認すると、GSiはトップグレードで、エンジンはZC。
私がその男性に声を掛けたとき、その若い男性は、「ジーうにゃうにゃエンジンです。」と、何やらエンジンの呼び名を言ったようですが、恐らくこのZCのことを言ったのではないかと思います。でも、ゼットシー、とは言わなかったような気がします。ZCはゼットシーと発音するのではなく、ジーシーとか言ったりするのでしょうか?
でも、声を掛けられて真っ先にエンジンのことを言い返すということは、よほどこのエンジンのことが気に入っているということなんでしょう。まあ、ZCは名機ですから、その気持ちは、すごくわかります。
前にも書きましたが、学生の頃、バイト仲間の一人がこのクイントインテグラに乗っていました。すごく運転の上手い人で、「FFはタックイン」というような事をよく言っていました。マフラーを換えていたので、クアーンという乾いた、品のあるいい音でした。
その音が頭の中、記憶の中にあるので、自分の車に戻るときにその男性に「マフラー換えたら、ええ音するでー。」と、つい、余計なことを言ってしまいました。
そのインテグラのマフラーは純正で、細い、細ーい口径の2本出し。その男性は恐らく、純正のまま、ノーマルのままで乗りたいのでしょう。マフラー換えたらなんて、余計なことでした。
でも、ほんと、いい音するんですよ。
今の車みたいに作っている合成音じゃなくて、ほんとの音。リアルな音がします。NAならではの。
旧車は、デザインも、ある意味、本質を突いていたような。エンジン、そして、その音もまた、本質に向かっていたような、そんな気がします。
若い人も、自分が生まれるよりも前に製造された車の向こう側に何かを見ている、何かを感じとっているのではないでしょうか。
(追記2022.9.14)
先日、家の近くで黒の2代目MR2を見かけました。綺麗な塗装状態でぴっかぴか。
どんな人が乗っているんやろうと運転席に目をやると、なんと若いお姉さん。思わず目で追ってしまいました。
2代目のMR2もほとんど見かけないですが、どちらかと言えば男性が乗るイメージ。男性が乗っていたなら、まあ普通とは言わないまでもそれほど気には止めなかったと思いますが、女性が乗っているとやはりその絵柄は印象に残ります。